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【お客様事例④】人材配置の最適化を目指す支援

2024年4月 17日

これまで当社では様々な業種・業態の企業様から、新規事業の検討や社内体制の見直しなどのご相談をいただき、お客様とともに取り組んでまいりました。

お客様事例の第四弾として、各種補助金や助成金、建設キャリアアップシステムの申請支援をさせていただいた株式会社山口商店の代表取締役 山口 敦広さんにお話をお伺いいたしました。

 

株式会社山口商店 企業情報

所在地:兵庫県伊丹市岩屋2丁目1-1番地
従業員数:18名
URL:https://www.yamaguchi-inc.biz/

 

-御社の事業内容についてお聞かせください。

山口社長:当社は1970年に先代が個人事業主として創設した後、1990年に法人化しました。主に、建築物を建てる前の地盤改良工事を行っており、その他には泥土改良工事、残土掘削土工事を中心に事業を展開しています。地盤改良工事は、軟弱な地盤を補強・改良したうえで、建物の基礎を支える基礎杭を構築し、建物などを建てる際の建設基盤に支障がないようにする工事です。現在は、大型の商業施設や物流施設、工場を建設する前の地盤改良工事が多くなってきました。また、当社は大阪府からの工事物件を年2~3件程度獲得するなど、関西を中心に事業展開を行ってきましたが、現在は対応範囲を広島市や岡山市、九州地方など、西日本を中心に拡大しています。
また、現在は老朽化した建物の解体工事が盛んになってきていることから、地盤改良工事で打った古い杭を抜く工事にも進出しており、今年度には当社の軸となる事業として育てていきたいと考えています。

 

-御社の成長していくキーとしては、積極的な人材育成と設備投資にあるのでしょうか。

山口社長:当社には、1級・2級土木施工管理技士やクレーン技術者(5t以上)など、複数の資格を持つ技術者が複数在籍しています。当社は意欲的に資格取得を目指す従業員をサポートする体制を構築しています。また、資格を取得した技術者に対しては、給与体系の見直しなどの対応を実施しており、高い技術力を維持しています。会社としても、一般社団法人日本杭抜き協会やウルトラコラム工法協会、GIコラム工法協会に加盟するなど、最新の工法の情報収集も積極的に行い、技術力の維持や向上に努めています。
現在、国土交通省が「i-Construction」を推進していることから、建設業のICT化が様々なところで言われていますが、関西の民間工事でICT建機を求められることはまだ少ないです。しかし、当社では生産性の向上や安全性を確保するため積極的にICT施工機の導入を進めています。例えば、地盤改良位置や深度を自動で計測したり、施工状況をリアルタイムで共有し施工重複ミスを防止するシステム、データを自動で収集することで報告書作成の工数を軽減するシステムなどが挙げられます。

 

-当社(COPELコンサルティング)にご依頼いただいた経緯を教えてください。

山口社長:4年前に当社の大口顧客から、「建設キャリアアップシステム」に登録していない企業とは、今後取引はしない方針である、と言われたことにあります。当時、上記顧客は当社の売上高の5割を占める受注先で、取引ができなくなると当社にとって大変大きな打撃になります。その話を受けて当社でも申請に向けて調べていたのですが、申請手続き方法が分かりづらく、とても困っていました。その際に、別件でいろいろと相談をしていたCOPELコンサルティングに、申請手続きについて相談したところ、申請手続きについて支援いただけるとのことで、お願いすることにしました。

「建設キャリアアップシステム」とは・・・技術者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるシステム。目的は、技術者の能力・経験等に応じた適正な処遇改善につなげ、技術者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境をつくることにある。

 

-「建設キャリアアップシステム」のお手続きはいかがだったでしょうか。

山口社長:最初は、技術者(約15名)の雇用保険や厚生年金に係る書類を整えたり、各技術者の情報を整えたりするなど大変でしたが、支援やレクチャーをいただき、全技術者の申請登録を完了することができました。現在は、従業員を新規採用するときに都度、申請の支援をお願いしています。

 

-その後、システム登録をするきっかけになったお客様との関係はいかがでしょうか。

山口社長:今もこのシステムに登録するきっかけとなった大口顧客とは取引を続けており、現在は当社の売上高の7割を占めるようになりました。今後も、本システムへの登録は継続していきたいと考えています。

 

-建設業の2024年問題など、取り巻く環境は大きく変化していると思います。今後の展望をお聞かせください。

山口社長:当社は数年前に受注していた案件と現在の案件を比較したところ、大型の案件が非常に多くなってきました。そのため、現在の保有設備だけでは対応できない案件も増えてくることから、今後もICT施工機も含めて積極的に設備投資をしていきたいと考えています。
また、建設業の2024年問題にみられるように、建設業の働き方改革がクローズアップされています。施工設備による省力化ももちろんですが、従業員に対する保証はきちんとしていかなければならないと考えています。
様々な課題を解決しながら施工体制を整え、今後はさらに大型案件を増やしていくとともに、杭抜き工事などの新しい事業にもチャレンジしていきたいと考えています。

 

-取材にご協力いただきました株式会社山口商店様、ありがとうございました。

 

■取材後記■

今回、お客様の事例紹介として、株式会社山口商店様をご紹介させていただきました。
現在、建設業の2024年問題がクローズアップされており、人材不足、技術者の高齢化など、建設業界はさまざまな課題が山積しています。そのなかで、株式会社山口商店様は、省力化に向けた設備投資と技術者の人材育成やそれに伴う評価などを「建設キャリアアップシステム」などを活用し積極的に行っている事例になります。

今後も当社では取材活動を積極的に行い、お客様の事例を随時ご紹介いたします。ぜひご覧ください。

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